天川ハーブ園について

ハーブ園ができるまで

開墾のお手伝いをされる宮司様とお孫さん

「楽しくなる畑」を目指して

2013年10月14日、天川村坪内にある天河大辨財天社(天河神社)から歩いて2分ほどのところにある2か所の畑で天川ハーブ園の作業は始まりました。
1つは持ち主の方がそれまで使われていたので、完熟堆肥と貝化石と燻炭を撒いて耕運機をかけました。もう1つの方は5年ほど放置されていた畑だったのでまずは草刈り、古い破れた防草ビニールシートの撤去、ビニールシートの重しに使っていたという石を畑の隅によける作業が大変でした。天河神社の宮司様とお孫さん(写真)を始め、神職の方、村の方、遠方より来て下さった有志の方々合わせて10名ほどで汗をかきながらの作業でした。そのあと有機肥料撒き、耕運機かけを行いました。
畑2か所共、持ち主の方から重しに使っていた石は、一つ一つ自分で運んできたものなので捨てないでほしいと言われていたこともあり、石を何とかうまく使おうと考え畑の中心に石を渦巻状に積み上げ、土を入れて中心になる部分を造ろうと思いつきました。せっかくハーブ園を造るのだから、楽しくなる畑にしようと思い、1つは渦巻、もう1つは渦巻二つがつながったかたちの石積を中心にしました。その周りを囲むようにラベンダーを曲線状に配置し、バラは隅の方に直線で配置することにしました。

ラベンダーとダマスクローズ

現在3か所に増えた畑にはラベンダーやダマスクローズが主に育っています。他にはペパーミント、レモンバーム、セントジョーンズワート、ドクダミなども根付いています。
ラベンダーの苗は、北海道からラベンダー・アングスティフォリア種の「濃紫3号」1年物100株と「おかむらさき」2年物40株、1年物60株が届いていました。大分から「濃紫3号」28株、グロッソ12株も届きました。アロマティコ5株を加え全部で245株になりました。
2014年4月にはダマスクローズの苗が届きました。ブルガリアのカザンラクという地方に咲く、香りが良く香料の原料としても昔から大切にされてきている種類です。
カザンラクの苗の2年物3株、1年物15株を植え付けました。バラは大きな穴を掘り、完熟堆肥多め、燻炭多め、貝化石少なめ、微生物などをしっかり入れ、皆で植え付けたカザンラクの苗も現在60株ほどになりました。ハーブ園には一季咲きのカザンラクの他に、返り咲き、四季咲きの香りのよいバラも数十株根付いています。

有機肥料や微生物も様子を見ながら

天川村の冬は厳しく、これまでゼラニウム、レモンバーベナ、ローズマリーなどいろいろなハーブを試しましたが天川村の寒さを乗り越えるのは、寒さを苦手とするハーブには、やはり難しいようで、株を鉢に移し屋内で越冬させる養生を必要とします。畑では毎年冬前には、寒さに強いバラとラベンダーには、株の根元にわら敷きをしています。冬は冬眠期に入り、土が柔らかくなった3月くらいからバラの剪定をし、有機肥料や微生物も様子を見ながらやらなくてはなりません。梅雨から夏にかけては雑草もぐんぐん伸び、草刈りも体力勝負です。始めた頃はお手伝い下さる方が来て下さる日に、一気に一日かけて畑仕事をしていましたが、最近は天気を読みながら、無理をしないように畑に行くようにしています。東京などからお手伝いに来て下さる方は、天川ハーブ園で草取りをしながらデトックスができたと喜んで定期的に来て下さいます。きっと都会での忙しさで消耗した心身には、天川村の土や水や空気は命の甦りの助けとなっているのでしょう。

アロマウォーターの蒸留過程

  • ラベンダー・アングスティフォリアの花穂を使用(心の落ち着く爽やかな香り)
  • 天川ハーブ園では2014年から毎年、6月中旬から8月初旬にかけてラベンダーのさわやかでかぐわしい紫の花が咲きます。たくさんの種類があるラベンダーの中でも、アングスティフォリアという種類が真正ラベンダーともいわれ、香りのよいものです。ラベンダー・アングスティフォリア種の中の紫色が濃く美しい「濃紫3号」という種類がまず咲き始め、少し遅れて「おかむらさき」という甘い香りのある種類が咲き始めます。花穂のたくさんのつぼみの中の1から2個の花が開き始めた頃が、蒸留するには香りの成分が多くてよいといわれていますが、花穂の花が半分くらい開いたあたりで蒸留すると、甘さやかぐわしさが強いように思います。(そのタイミングにうまく摘み取るには畑にこまめに通わなくてはならないですが、なかなか時間のとれない時もあります)
  • 摘み取ったラベンダーは水でサッと洗い、適当な長さに切り、原始的なインド製の陶器の蒸留器に入れます。天川の山のからひいた水を入れ中央にラベンダーウォーターを受ける器をいれます。その上部に氷を入れた器をかぶせ極弱火にかけます。
  • 熱せられた水にラベンダーの中の芳香成分が溶け込み水蒸気となります。上部の氷によって水蒸気は冷やされ、しずくを受けるための器に一滴一滴としずくとなって溜まっていきます。氷を何度も足しながら、約4時間くらいで180ccくらいのラベンダーの蒸留水ができます。その上部にはうっすらとラベンダー精油の膜ができています。(蒸留の間、部屋の中はラベンダーのよい香りでいっぱいになります)

ご挨拶

谷島美惠子(やじまみえこ)

(奈良県吉野郡天川村坪内在住)
・天川ハーブ園代表
ナード・アロマテラピー協会認定校 グリーンハートメディカルアロマテラピースクール主宰
・天の川いきいきヨガ主宰
天河太々神楽講世話人
有資格(ナード・アロマテラピー協会認定アロマトレーナー、ナード・アロマテラピー協会認定アロマセラピスト、ハーブコーディネーター、国際総合ヨガ日本協会准錬師三段、龍村ヨガ研究所認定一級講師、鍼灸師)

東京で、ヨガの指導を長年仕事としてさせて戴いておりましたが、ヨガ教室で使える香りを自分で創りたいと思い、香りの成分などもしっかり勉強したいと考えていたところ、20年程前にメディカルアロマテラピーを教えている協会に出会いました。早速勉強させていただき、アドバイザー、インストラクター、そしてトレーナーの資格まで戴くことができました。アロマテラピーを教えるスクールも開かせていただいておりました。

2012年5月に、(それまでに天河大辨財天社にご縁を戴いていた関係で)天川村坪内に移住することになり、畑もお借りすることができた時、長年の夢であったアロマの精油の元となる植物を育ててみたいと思いました。畑の持ち主の方に許可を戴き、2013年10月から有機農法でダマスクローズとラベンダーを中心にしたハーブ園を造る事が出来ました。3年目くらいから、原始的な方法ではありますが、少しずつダマスクローズとラベンダーの蒸留も始めました。
天川ハーブ園は辨天様のお膝元の坪内地区に在り、化学肥料や農薬、殺虫剤は使わず、完熟堆肥、有機石灰、燻炭、微生物などを使った土つくりをしています。水は天川村坪内の山から引いています。澄んだ空気の中、太陽の光を受けて育ったバラやラベンダーも年々大きくなってきています。畑の手入れも、蒸留も少人数で作業をしていますので、なかなか思うようには進みませんが、雑草の多い時期には遠くからお手伝いに来て下さる方の御尽力もあり、今日まで続けることができています。

また、アロマテラピーの基礎から応用までを教える講座も天川村坪内で開催しています。香りは自然が創り出したとても不可思議で素晴らしい宝物です。目に見えない世界への入り口にもなります。香りの世界の奥深さを識れば識るほど、日々の生活がより潤い多きものとなっていくことでしょう。
2021年はバラの咲く時期、ラベンダーの咲く時期にアロマアドバイザー資格取得講座を予定しております。天河の気を受けながらの講座です。辨天様への参拝もあります。御参加をお待ち申し上げます。(詳しい日程はお問い合わせください)

天河大辨財天社(天河神社)
宮司 柿坂神酒之祐 様からのコメント

天川村と天川ハーブ園

今から24年ほど前になりますが、天河神社ともご縁の深い映画「地球交響曲」を創られた龍村仁監督の弟さんで、ヨガの世界的権威者である沖正弘導師に師事され、東京で龍村ヨガ研究所(スペースガイアシンフォニー)を主宰されていた龍村修先生のスタッフをされていた谷島美惠子さんを天河に、三年間お貸しいただけないかと龍村修先生にお願い致しました。お願いするきっかけは谷島さんがヨガや鍼灸をされているというだけでなく、学生時代に「水俣」に行き現地で水俣病の活動されていたことがあったとお聞きしたからでした。
それから谷島さんには、動き始めたばかりの「天河太々神楽講」の事務局ボランティアスタッフとして、平成7年より可能な限り、神事のたびに東京から通っていただき、天河神社に御奉仕いただくこととなりました。
私自身古くからの神主の家に生まれ神主になる事を周りからは希望されておりましたが、あまり気が進まず、神職となる前は、世界中を旅したり、いろいろな仕事をしたりしておりました。
アマゾンを旅した時には現地のネイティブの住まいに泊めて戴いたりし、食べる物や日常生活すべて、自然を敬い自然と共に生きる姿に只々驚く日々でした。世界には100歳を優に超える、驚くほど長生きの方もいました。
しかし、私が神主になった昭和41年頃は、日本では80歳まで生きる人はまれであったと思います。化学肥料や農薬、添加物等が一般化されている頃で、長生きには自然な食べ物が不可欠ではないかと感じ、福岡正信さんの自然農法を参考にして小さい畑や田んぼで実験したりしてきました。
神主は、人が健康で豊かで日々にお栄えがありますよう、常に祈らせていただいております。かつて東京の龍村ヨガの道場に招かれた時に、集まった方々との対話の中でヨガの事を勉強させていただき、心身を鍛えるとはこういう事かと感心したことがありました。
又、天河神社の奥宮のある弥山にはオオヤマレンゲ(別名:天女の花)という白く美しい花が、7月の中頃、素晴らしい香りを放ちひっそりと咲きます。目には見えないけれど、植物のもつ自然の香りは神様からの贈り物です。医薬品も沢山使われる昨今ですが、自然から力を戴いたアロマ(香り)を深く理解し、活用するアロマテラピーはこれから日本に益々広がっていくに違いないと感じております。
日本の昔からの発酵食は、今世界中から長寿の食品として注目されています。酵素、発酵食、ヨガ、アロマ、瞑想、笑顔、、、生きがいのある日々の生活等等。心身を健康に導くものはたくさんあります。
最近の天川村では、子供たちは中学校を卒業すると天川村から離れ、町の高校へ通います。村には高齢者が多く残り、農地も耕す人がだんだん減り、荒れたままの畑が目立ってきていました。
神職として何を為すべきかを考えたときに、天川村の荒れた農地に、何かいいものを作ったら楽しみが出てくるのではという考えが、生れてきていました。
天川村の活性化の為、谷島さんに2012年5月から天川村に移住していただきました。天川村に住むという生活に慣れて戴く中で、近隣の方から使っていない畑を耕していただけないか、という申し出があり、それならアロマの元になるバラやラベンダーの植物を植えたいということになりました。そんな経過の中、天川ハーブ園造りに協力しなくてはと、孫や神主と一緒に手伝わせていただきました。
辨財天の座するこの天川村坪内(壺の中)の大地が生き生きと動き始めることは、訪れる方々に清々しい気を感じて戴けることになるのではないかと思っています。
天河神社の氏子さんたちが中心となり「斎庭(ゆにわ)」という天河の杜を大切に守っていくプロジェクトも立ち上がり、動き始めています。
心ある方々が天川村に住み、あるいは訪れて下さり、皆様のお力で、杜や畑が甦っていく事は有難い限りです。コロナ禍を戴く昨今ですが、これからの天川村の甦りは、美しい惑星地球の甦えりにつながっていく一歩であると、確信する次第です。
令和三年五月吉日

大峯本宮 天河大辨財天社
宮司 柿坂神酒之祐

天河神社ワークショップにて
龍村仁監督(左)龍村修先生(中央)柿坂神酒之祐宮司(右)
天川ハーブ園ラベンダーの植え付け

天川ハーブ園へのアクセス

赤いポイントが天川ハーブ園です

〒638-0321 奈良県吉野郡天川村坪内 お食事処「おおとり」となり